審査員コメント - 大泉 評点8

一目でランドセルを連想させるデザイン。そしてそれを可能にするレザーの加工技術、素晴らしいです。

審査員コメント - スズキ 評点9

子供が使うと言うコンセプトが明確で大変面白いカスタムだと思いました。またデザイン的にもどこか小学生が使うランドセルと同じような印象があるので子供に刃物を持たせる為に出来るだけハードな要素を和らげようとする親心が感じられました。絆創膏が入るポケットも使う対象者の事をよく考えられています。子供を全ての危険な物から遠ざけ過ぎては子供はいつまでたっても成長しません。今の日本にはこう言うナイフこそが必要なのかと思いました。

審査員コメント - 相馬 評点5

サバイバル度という意味では評点は高くありません。他の審査員の評価に注目したいですね。


作品説明:

<ナイフについて>

切っ先を丸く削り上げ、ナイフの持つ攻撃的なイメージを緩和した初心者向けの工作用ラウンドナイフにしてみました。

先端を大胆に丸くすることで「刺す」ことが一切出来ないようにし、本来切っ先での作業である「引っ掛けて切る」作業は小さなセレーション(波刃)を施したことで代用出来るようにしてます。
セレーションがどういう意味を持ち、役割を果たすのか、実践して教えてあげる意味合いも込めています。

また、刃は標準の薄いエッジを砥ぎ直し、やや鈍角気味に刃付けし直しました。
1mm刃幅が小さくなりましたが、おぼつかない手付きで作業しても多少は刃持ちするようになっています。

ハンドルは牛革製ですが、ただ上から革を巻いたのではなく、標準のラバーを全て剥ぎ、更に芯のプラスチックを削って穏やかな曲線にして、子供の手に合うようになるまでシェイプ。

ソフトレザーをテンションを掛けながら巻いて、男の子なら誰でも一度は握ったことがあるであろう野球ボールと同じ縫い方で締め上げました。



<シースについて>

シンプルな二つ折り型のシースです。

アースカラーになりがちなシースですが、あえて明るい有彩色のクロムレザーをチョイス。
最低限形を整形させ刃を守るために一部ヌメ革を使っていますが、構成のほとんどが柔らかくふんわりとしたクロムレザーで包んでいるので印象がとてもマイルド。

前面のポケットには普通サイズの絆創膏が3枚入る仕様。
誤って手を切っちゃったらすぐ対処!

シース裏面には名札ホルダー。
上側は本体に縫い付けられてないので学年が変わったら名札だけ差し替えて交換できます。

図工の授業で使った小刀のように「おどうぐばこ」に入れて欲しいナイフですので、あえて携帯目的のベルトループは付けてません。
室内でえんぴつ削ったり、竹トンボとか作ってウッドクラフトしたっていいですよね。



<最後に>

このナイフを作るにあたって、気を付けていたことがあります。
それは「こだわり過ぎない」こと。
物を作り始めるとついつい拘りすぎて、気が付くと時間とお金を掛けすぎたりします。
キッズ向けに作成してますので、ビシッと仕上げし過ぎて高級感が出過ぎてもちぐはぐなので基本技法だけでサッと作れて、壊れたり破れたりしてもすぐに直してあげられる。そんなナイフを目指しました。

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